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 プロしか知らない エアコン裏事情

 量販店はここが怖い

量販店は、薄利多売で多様な商品を大量に販売することで利益を上げています。ですから、販売価格の面では多くのお客様が満足することでしょう。
しかし、冷蔵庫やテレビと違って、設置に専門的な知識と技術を必要とするエアコンの場合、購入後に問題が出て来ることがよくあります。

そのような問題に対して、量販店の店員は頼りになりません。なぜなら、量販店はさまざまな商品を取り扱っているために、一つ一つの商品に対する深い知識がないからです。

そのため、量販店でエアコンを購入したお客様が次のようなトラブルをかかえることがよくあります。

1. 省エネエアコンを購入したはずが…
2. 取付作業で隣家とトラブル発生
3. 植木が枯れたのは誰のせい?
4. まだ、数年しか経ってないのに…“買うべきか修理すべきか、それが問題だ”
5. いつも部屋が寒すぎたり、暑すぎたりするんですけど…



 省エネエアコンを購入したはずが…

ある日、お客様からお電話を頂きました。

「エアコンの効きが悪いのよ。故障じゃないかしら。一度見に来てくださる?」
このお客様は飲食店を経営しており、店舗のほうのエアコン取付を私どもでさせて頂きました。しかし、「家のエアコンは、 何でもいいのよ」 ということで量販店から購入したのでした。

そう言いながらも、この方は「せっかく買うなら最新の省エネエアコンがいいわね」とその時の最新エアコンを購入しました。

ですが、思ったより部屋が冷えなかったのです。当初は、「省エネ機種だから効きが悪いのはしょうがないのかな」と考えていたのですが、しばらく使っているうちに思ったより電気代も安くなっていないことに気が付いたそうです。

そこで購入をした店に点検に来てもらえるよう依頼をしたのですが、ちょうど繁忙期であったこともありなかなか点検に来てもらえず、私どもに連絡をしてきました。

さっそく訪問し、点検をしたところ大きな問題が2つありました。おそらくエアコン本体そのもの故障ではなく、この2つの問題が原因であることは、私の経験上から推測がついたのです。

その問題点とは・・・
一般的に誰もができるだけ室外機を見えないところに設置するよう希望します。そこで、販売店のほうでも、できるだけその希望に沿ってエアコンから室外機までの配管長を長く取ることがよくあります。しかし、その長さがメーカーの指定する許容配管長以内であるといっても、エアコンの効率という面から考えると、配管の長さはできるだけ短い方が良いのです。

特に最近流行りの省エネエアコンには、この配管長というものが大変重要になってきます。メーカーは一定条件を満たした施工の元での省エネを保証していますが、その中で一番重要視されているのが冷房効率なのです。ですから、配管を許容配管長以内にすれば、冷房効率上は最大の効果を発揮します。しかし、省エネエアコンの売りである省エネ効率の面では最大の効果が発揮されないことがよくあるのです。

この長すぎる配管長が原因の一つであることはまず間違いありませんでした。

また、エアコンが本来の性能は発揮することを妨げる要因は、前述の配管長以外にもう一つあります。それは配管のつぶれです。配管がつぶれていると、急に配管の太さが狭くなりますので、その中をガスが通ろうすると余計な力がかかります。そうすると、冷却ガスがスムーズに流れず冷却効率を下げるのです。

ですから、冷却効率を下げないためには配管の曲げはできるだけ少ないほうが良いのです。しかし、実際には最低2〜3箇所の曲げは必要になります。問題はその曲げ方なのです。量販店はコストの面から、配管を手で曲げます。しかし、試しにストローを手で曲げみてください。どんなに丁寧に曲げても、曲がっている部分がつぶれてしまいます。これは極端な例ですが、エアコンの配管にも同じことが言えるのです。

先ほども言いましたように配管がつぶれていると、そこに余計な力がかかり効率が落ちます。当然ですが、配管の曲げが多いと余計な力が掛かる部分が増えて効率がおちます。

また、古い配管が壁の中に入っていることがあります。これは隠蔽配管と言われるものです。これを量販店の下請け業者は、お客様に何も告げずに工事をすることがよくあります。もともと付いていたエアコンが古い機種であるほど配管が太く、新しくつける最新機種ほど配管は細くなっています。

それにもかかわらず、単に太い配管と細い配管を簡単に繋いでお仕舞いにしてしまうところがあります。配管の太さが途中で変わると、これも冷却ガスの流れの妨げになり、冷えが悪いことの原因になります。それは当然電気代金にも影響します。

このように配管の長さとつぶれが、この客様のエアコンの能力低下の原因であることは一目見て見当がつきました。室外機の設置場所の変更や配管の新たな取付についてお客様のご了承を得て、私どもで改めて設置をしなおしました。その後数ヶ月経ち何度か連絡を入れましたが、何も問題は起きていません。このお客様にとっては、取付費用が二重に必要となってしまいましたが、現在エアコンが100%の性能を発揮していることに大変満足なさっています。


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 取付作業で隣家とトラブル発生

「お店で聞いた話しと違いますよ。店員さんは大丈夫と言ってたのに…」

量販店でエアコンを購入すると、販売員と打ち合わせした内容と施工する職人の話がくいちがうことがよくあります。通常、量販店は独自の取付作業員を雇ってはいないので、取付作業は外注に出すことが一般的です。ですから、お客様の要望が、実際に取り付けをおこなう会社に十分伝わりにくいのです。かといって、あらためて取付に来た職人に要望を言えばよいかというとそうでありません。

量販店にとってあなたはお客様ですが、取り付けを請け負っている会社にとってはそうではありません。その上その会社としては、元請の量販店から依頼された取付工事を数多くこなしたほうが利益が上がりますので、一応お客様の要望を聞きますが、それよりも、とにかく早く作業を完了しようとします。

例えば、「隣の人が少々口うるさい人なので、作業には気を使って欲しい」ということを販売員に言います。それを仮に職人に伝えたとしても販売員は現場のチェックをしません。取り合えず、職人はお隣に声をかけるだけで仕事をはじめるかも知れません。

しかし、実際には壁に穴あけをするときに埃が舞います。職人は家の中は養生しますが、外にほこりが舞うのはは当たり前としか思っていません。ですから、「ほこりがひどすぎる」と隣家の人が苦情を言ってきても、「それはやむを得ないこと」としか考えておりません。

職人の当たり前の感覚とお客様の感覚が違うのです。このことを理解するのは量販店の人ではまず、無理といってよいでしょう。


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 植木が枯れたのは誰のせい?

戸建の場合、室外機の暖かい風が隣の家の庭などに行くことがあります。この風で隣の家の花壇や植木が枯れやすくなるということはあります。戸建の場合、長くそこに住むことを前提にしているはずです。隣が何も言わないから放っておいては良くないでしょう。

量販店は、基本的に商品の販売のみが仕事です。ですから、その商品の据付はサービスの一環に過ぎません。ですから、その商品の据付に特に気を使うことはありません。

その商品が冷蔵庫などのように家の中でのみ使うのであれば良いのですが、エアコンの場合は室外機を当然戸外に設置します。その際に設置箇所や向きに注意を払わなくては、室外機からの温風が隣家のほうに向けて排出されるかも知れません。

施工時には騒音や埃などがでることもありますので、隣近所に不平が出ないように挨拶することはほとんどの業者では行っています。しかし、室外機の設置による温風の排出は、設置工事の隣家への挨拶と違って、一時的なものではありません。

ですから、本当のプロは、目先のその場のことだけでなく、設置後のことまで配慮した仕事をするのです。


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 まだ、数年しか経ってないのに…“買うべきか修理すべきか、それが問題だ”
エアコンに限らず最近の家電製品は、一度壊れてしまうと、その修理にかなりの費用がかかってしまうことがよくあります。ですから、量販店の販売員は、修理費用と手間を指摘し、まず買い替えを勧めてくるでしょう。

確かに、その販売員の指摘は一理あります。しかし、その指摘がほんとに正しいのか判断するためにも、新しいエアコンを買ったほうが得なのか、修理をしたほうが得なのかの基準を知っておいて損はないでしょう。

買い替えの目安
ア)
最低、7〜8年以上経過した商品かどうか。メーカーや修理業者を呼ぶと修理しなくても出張費で10000円近くかかりますので、同等品が現在、幾らくらいで販売させているか確認することです。そのエアコンの購入価格が20万円以上で、7〜8年程度使用しているものでしたら、修理したほうがいいかもしれません。20万円以上するエアコンは、修理をして100%の能力を発揮できるようにすれば、最新のエアコンとそう遜色はありません。
イ)
電気代金が安くなるというキャッチフレーズの省エネエアコンがはやっています。で新しいものをということですが、ある程度本当です。しかし、修理であと3〜4年使えるのであればというのもお客様次第です。
ウ)
修理の中でコンプレッサー交換がある場合は、買い替えをお勧めします。ただし、7年以内で交換が必要な故障があるという場合、設置状況や施工の不備があった可能性があります。ただし、そこまで遡ってどうのこうのは言えないのが現状ですから、新しいものをつける場合、よく施工会社の方と相談してください。機械ものですから何とも言えないところはありますが、使用頻度の問題もあります。しかし、家庭用であれば業務用のように四六時中動かしているということも考えづらいのでよく調べたほうがいいかもしれません。

基本的に販売店や施工店ではこれらのことが分からないというか知識がないのが現状です。メンテナンスができる会社をお勧めします。

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 いつも部屋が寒すぎたり、暑すぎたりするんですけど…

かつては、6帖の部屋には6帖用のエアコンという形で問題ありませんでした。しかし、今では採光窓や天井高の問題等を計算し、お部屋に必要な能力のエアコンを入れることがこれから重要です。また、リビングを天井埋め込みにするかどうかということも視野に入れた考え方が必要です。これは量販店では困難なことです。その部屋にどれくらいの熱量が必要かという計算が難しいからです。

また、天井の埋め込みの場合は、家の施工段階で施工店と打ち合わせしながら配管工事などをすすめる必要があります。これにより、エアコンの取り付け位置と給排気の換気扇の位置なども問題になります。基本的には施工店で長年の経験で位置を決めますが、かなりデザイン性の高い家でソファーの位置をどこにするかなどにより取り位置を本当は変えたほうが良かったということもあります。

今、快適な空間として、高気密住宅が多くなりお部屋の換気をすることが重要になっております。 そのためにエアコンメーカーもそれに歩調を合わせ換気機能の付いたエアコンを出し、人気になっています。しかし、施工店としっかり打ち合わせをしながら決めていかないと結果として冷たい空気がまともにソファーにすわっていると顔に冷気があたったり、暖気があたり不快感がでるということがあります。

冷えればいい、温まればいいという感覚ではいけません。冬、足元が暖まらないという問題はエアコンの機械的な問題があるとしても、現状の性能のなかで工夫することは大切です。ですから、これから、エアコン自体は家電品という考えから、空調という視点に置き換えないといけないのです。

家電品としてのエアコンは、その商品の性能と価格が問題になるかもしれません。しかし、空調と考えたときに工事、そして住まい方に伴う取り付け位置と機種の選定等がいろいろ問われるのです。

ビルや店舗では業者がこのような考え方で空調負荷計算をし、機種の選定をしてきました。しかし、一般家庭では、価格が安いこともあり家電と同じ取り扱いをしてきたわけです。アパートやマンションであれば、家電品という考え方でまだよいとは思いますが、戸建の場合は空調という観点から物事を考えたほうがよいのです。

量販店の場合、どうしても家電品という考え方ですから、価格の競争に重点があります。そのために知識の不足やマニュアル化された工事費という観点からエアコンを捉える為に冷えすぎや温まりすぎという問題が起こりやすいのです。


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